心筋梗塞
高齢者に多い病気の一つとして数えられる心筋梗塞は、左胸の真ん中当たりに急激な痛みを伴います。
心筋梗塞の痛みは狭心症の痛みより強く、その痛みは長時間継続するため、日常生活を送ることが難しくなります。ときには胸周辺に至る痛みに襲われることもあり、その激痛から顔がゆがむほどになります。周囲の方はその苦しそうな表情に大きな不安を感じることでしょう。また心筋梗塞は痛みのみならず、さまざまな合併症を起こすこともあり大変怖い病気と言えます。
こちらでは心筋梗塞の症状、原因、治療を中心にそれぞれ紹介していきますので、胸に強い痛みに覚えのある方はぜひ参考にし、一度は病院へ検査に行ってみることをオススメします。
心筋梗塞の症状
心筋梗塞の症状は主に激しい痛みを伴うことです。これを狭心痛と呼びます。心筋梗塞の狭心痛は、狭心症の症状と似ていますが痛みのレベルに違いがあります。狭心症による狭心痛より痛みは強く長く継続します。痛みをたとえると、「心臓を強い力で握られているような痛み」「胸が強く締め付けられるような痛み」などとよくいわれます。ときには我慢の出来ないような激痛が胸全体を襲ってくるときもあります。このような場合は薬物投与により痛みを緩和しなくてはいけません。
心筋梗塞の合併症
心筋梗塞そのものの症状は痛みが主なものなりますが、心筋梗塞になると決まって他の病気を伴う合併症が発症します。心筋梗塞が発症してから早い期間に合併症はおこりやすいです。また、左心室の心筋に壊死が起きるのですから症状は深刻といえます。心筋梗塞の合併症には次のようなものがあります。
心筋梗塞がもたらす合併症 ―― 心不全・心原性ショック
心筋梗塞から心筋に壊死が起こり心臓の全身に血液を送るという力が衰えてしまうことを心臓の機能が働いていないという意味から心不全と言います。心不全の症状で一番怖いものに心原性ショックがあります。発症してから短時間の間に命を落としてしまいます。
心筋梗塞がもたらす合併症 ―― 肺水腫・心臓ぜんそく
血液は肺から送られてきますが、心筋梗塞による心筋の壊死のため十分に送り出せることが出来なく、行き場を失った血液が肺に溜まってしまうことを肺水腫といいます。肺水腫の症状は呼吸困難が主であり、心臓ぜんそくを起こす原因にもなります。
心筋梗塞がもたらす合併症 ―― 不整脈・心室停止・心臓麻痺
胸に手を当ててみると心臓は一定のリズムで動いていることがわかります。しかし心筋梗塞で心筋が壊死するとこのリズムが狂ってしまい突然ポンプ作用が停止することがあります。これを不整脈と呼びます。不整脈による心臓停止を車にたとえてエンストと呼びますが、心臓が再び動き出さないとそのまま命を落とすこととなってしまいます。不整脈の厄介なところは心筋梗塞が軽度であっても重度の不整脈が起こりうる場合があるというところです。症状が起きるときや起きているときの時間が決まっておらず予測することも大変困難です。心臓麻痺には心室停止と心室細動の2種類があります。
心筋梗塞がもたらす合併症 ―― 心臓破裂・心タンポナーデ
心筋梗塞により左室に壊死が起きると壁に孔があくという症状が発生します。この症状を心臓破裂といいますが、心筋梗塞の合併症の中で一番危険な症状です。心室に穴が空いてしまうと心筋と心膜の間に血が溢れて溜まり、結果心臓を外から押しつぶそうとすることになってしまいます。こうなると突然命を落とすことがあります。これを心タンポナーデといいます。
心筋梗塞の危険な時期
心筋梗塞は症状が現れてから約1ヶ月間を危険な時期としています。この1ヶ月間を急性期と呼び、さまざまな合併症が発症する時期とも言えます。心筋梗塞により壊死した心筋は約1ヶ月間かけて治します。1ヶ月間を短い期間と感じるかも知れませんが、この1ヶ月間は大変不安定な状態と言えます。したがって、心筋梗塞発病後から1ヶ月間は集中治療室で専門的な管理と治療を行うのが一般的です。
心筋梗塞の原因
心筋梗塞は、心筋に酸素などのエネルギーを送る冠状動脈がつまってしまうことが原因で発病します。詰まる原因には動脈硬化が挙げられます。この動脈硬化が起こる原因にはさまざまあり、種類には「粥腫(アテローム)」「線維化」「血栓」「攣縮(スパスム)」の4つが主になります。
心筋梗塞の検査
心筋梗塞の検査には心電図を利用するのが適しています。心電図により狭心症か心筋梗塞かを見分ける判断材料のひとつになります。心筋梗塞かを判断するには、狭心痛の強さ、心電図の波形変化、血液検査の3種類で行います。心電図では心筋梗塞の起こしている部位について特定の波形をとりますので心筋梗塞が起こっているかどうかを判断できるだけでなく、左室のどの部位に起こっているかも判断をつけることができます。
心筋梗塞の治療
心筋梗塞の治療には心臓専門医の揃った専門施設が理想的です。とくに急性期の心筋梗塞は重傷であり命を落とす確率は高いと言えます。また短い時間の間に急変することもよくある話です。心不全や不整脈といった合併症も急性期に起こるものですので、早期発見及び治療が望まれます。CCU(集中治療室)設備の整ったところでしたら24時間医師や看護士による管理や治療が行うことが出来ます。
急性心筋梗塞の治療
急性期の心筋梗塞は慎重に治療することが必要となります。心筋梗塞は見た目軽そうに見えてもいつ合併症が起きるかわかりません。合併症が起きないようにするためにも患者は絶対安静が条件となります。とくに発病から1〜3日は大切です。
心筋梗塞の手術治療
心臓手術の技術発展はめざましいものがあり、心筋梗塞に対してもさまざまな外科手術が確立しています。心筋梗塞に有効な手術として「冠動脈バイパス手術」「心臓破裂の手術」「心室瘤の手術」などがあります。


